Copy
イクレイ日本 eニュース
イクレイ日本e-ニュース第18号 2016年12月8日
みなさんこんにちは。

マラケシュでのCOP22が、「パリ協定」実施に向けた詳細ルール策定プロセスの決定という、堅実な成果をあげて閉会しました。同時に、「私たちの気候及び持続可能な開発のためのマラケシュ行動宣言」を通じて、今世紀後半の脱炭素社会の実現に向けて、世界は実施と行動の新しい時代に舵を切ったこと、また、すでに世界中で起きている大きなうねりを元に戻すことはできない(irreversible)という、力強いシグナルを発信しました。

すべてのステークホルダーによる行動と連携が必要だとの呼びかけに応じて、COP22には経済界や世界の自治体から、多くの参加者が集まりました。私を含め、COP22に参加した多くの人々が、脱炭素社会への移行はもはや理念ではなく、実現に向けた大きな政治的な意思と資金が動き始めていることを実感しました。

一方で、日本国内では、こうした機運を感じる機会が極めて少ないことも事実です。このままでは、日本が世界的な大転換の流れに取り残され、脱炭素社会に向けた「移行弱者」となるのではないか、との不安を感じます。日本はこのままで良いのか? 政府、企業、市民、自治体が一丸となって、脱炭素社会に向けて舵を切れるのか?

今月のイクレイ日本e-ニュースではCOP22特集を設け、現地の様子をお伝えします。

イクレイ日本 事務局長
大塚 隆志
このメールはイクレイのメールニュース配信をご希望いただいた方及びイクレイスタッフが名刺交換させていただいた方へ配信しております。
【目次】
 

COP22マラケシュ会議における自治体とイクレイの取組み

 11月7日~18日にモロッコ・マラケシュで開催された、国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)において、イクレイはこれまでの主張と一貫して、気候変動対策において自治体が果たせる役割や重要性を呼びかけました。

1. 第2回首長による気候サミット(2nd Climate Summit for Local and Regional Leaders)(11月14日)
 本サミットでは、世界114カ国から1,100人を超える関係者が参加し、自治体における気候変動対策を加速させるための、政治的・技術的・資金的な解決策をテーマに議論が行われました。サミットの成果として、「行動に向けたマラケシュロードマップ」が採択され、「グローバル気候行動」を主導する、モロッコ王国COP22特使ハキマ・エル・ハイテ環境大臣及びフランス気候変動交渉担当⼤使・COP21特別代表ローレンス・トゥビアナ大使に報告されました。
 同ロードマップは、パリ協定の発効を歓迎し、各国の約束草案の達成において自治体が重要なパートナーとして、国との連携を呼びかけるものです。

詳細(英語)

2. 低炭素ソリューションズ会議(COP22 Low-Emissions Solutions Conference)(11月14日~16日)
 ビジネス界、アカデミア、自治体からの専門家、科学者、技術者、イノベーターが集結し、各国の約束草案及び低排出発展戦略の準備支援に向けた技術やそのスケールアップについて議論が行われました。COP史上初の大規模な技術ソリューション会合となった本会議には、500人以上が参加し、技術情報や実践ノウハウを共有しました。

詳細(英語)


COP22における日本の自治体の活動

 イクレイ会員都市の川崎市、北九州市、東京都、横浜市が気候変動対策に積極的な都市のセッションに参加し、それぞれの先進的な施策をアピールしました。 

1. 低炭素ソリューションズ会議 
 11月15日に開催された「低炭素で持続可能なスマートシティ」をテーマとしたセッションでは、東京都が、都のスマートエネルギー政策、東京都キャップ&トレード制度によるCO2総量削減義務等の成果について紹介しました。

2. ジャパンパビリオン
都市間連携に基づくJCM案件形成可能性調査事業(11月8日)

 環境省は都市間連携に基づく低炭素都市形成支援についてのセッションを開催し、都市間連携を行いながら二国間クレジット制度(JCM)の枠組みを活用してきた川崎市北九州市横浜市が各プロジェクトを紹介しました。

セッション詳細

都市、気候変動とSDGs:脱炭素で持続可能な未来を拓くマルチレベルガバナンス(11月16日)
 環境省、OECD、イクレイの共催で開催した本セッションでは、脱炭素で持続可能な社会の実現に向けた都市の役割の重要性に注目し、大きな転換にいち早く取り組む先駆的な自治体の経験に迫りました。日本の自治体からは、横浜市東京都がパネルディスカッションに参加し、気候変動対策とSDGsの達成に同時に取り組むことの意義や、国と自治体の連携などについてコメントしました。

セッション詳細

イクレイ日本協力:IGES COP22報告セミナーにて、自治体と企業のセッションを開催しました(12月1日、東京)

 イクレイ日本は、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)が2016年12月1日に主催した「IGES COP22報告セミナー:動き始めたパリ協定~脱炭素化に向けて、問われる日本のアクション~」に協力団体として参加しました。
 第2部「2050年へのアクション:ノンステートアクターの取り組み」では、大塚事務局長がフレーミングプレゼンテーションを行い、COP22での企業や自治体の動きや注目同行などを紹介しました。続いて、パネルディスカッションでは、IGES理事長・イクレイ日本理事長の浜中裕徳がモデレーターを務め、COP22に参加したステークホルダーたちが現地で何を感じたのか議論を深めました。
 東京都環境局地球環境エネルギー部総量削減課長 三浦氏は、政策を都市間で連携してボトムアップで進めることが重要であることや、都の経験を世界に発信していくことで気候変動対策や持続可能な社会づくりに貢献したいと、コメントしました。

発表資料

生物多様性条約第13回締結国会議(COP13)が開幕(12月4日-17日、メキシコ・カンクン)

  国や自治体、国際機関など様々なステークホルダーから約1万人が集まり、「生物多様性の主流化 -幸福のために-(Mainstreaming Biodiversity for Well-Being) 」をテーマに、「愛知目標」の達成に向けた議論が行われます。
 COP13に先立ち、2016年8月に、生物多様性の保全に先進的に取り組む海外のサブナショナル政府(州・県レベルの広域自治体)による「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」が設立されました。「愛知目標」の達成に貢献するため、イクレイ会員都市の愛知県がリーダーシップを発揮する形で実現したものです。同連合では、COP13において、共同声明の発出やサイドイベントの開催などの活動を予定しています。
 また、イクレイは、条約事務局などと協働して、CONABIO(メキシコ生物多様性国家委員会)が主催する第5回生物多様性国際自治体会議を支援しています。

詳細

第1回世界ご当地エネルギー会議にて、日独自治体による首長セッションを開催しました(11月3日、福島市)

 11月3日~4日に福島市で開催された、第1回世界ご当地エネルギー会議の初日に、日独自治体の首長たちによるセッション「自然エネルギー100%首長サミット」が開催されました。イクレイ日本事務局長がファシリテーターを務め、日本の自治体からは、大潟村、小田原市、長野県、みやま市、福島市が自然エネルギー100%に向けた、それぞれの自治体におけるビジョンと戦略、また様々な取組を紹介しました。
 パネルディスカッションでは、自然エネルギー100%に取組むモチベーションや、その実現に向けて自治体が果たすことのできる役割について、議論が行われました。登壇者に共通であったのは、自分たちの住む地域の将来、持続可能な社会、これを担っていく次の世代のことを真剣に考えれば、今、再生可能エネルギーの普及に全力で取組むことは、極めて必然的だという考えでした。

発表資料

「carbon気候レジストリ 2015-2016ダイジェスト」を公開


 イクレイでは、気候変動対策の情報を報告・共有するためのプラットフォーム「carbonn気候レジストリ(cCR)」を運営しています。11月にモロッコ・マラケシュで開催された国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)で、最新の報告状況をまとめた「carbonn 気候レジストリ 2015-2016 ダイジェスト」を公開し、気候変動対策における自治体の重要性をアピールしました。

 同報告書では、cCRには、これまでに世界67カ国の726自治体が報告していることや、それらの自治体の削減目標を合わせると、2020年までにCO2換算で1ギガトン(GtCO2e)以上の排出量削減に相当すること等が示されています。​

「イクレイコミュニケ」の参考和訳を掲載しました

 イクレイは、エクアドル・キトにて開催された第3回国連人間居住会議(ハビタット3)に向けて、イクレイ議会並びに世界理事会による共同声明「イクレイコミュニケ」を発出しました。同コミュニケでは、「ニュー・アーバン・アジェンダ」が描く持続可能な都市への世界的な変革を自治体レベルの取組から後押しするため、“持続可能な都市に向けたグローバルロードマップ”として、2030年までにイクレイが実施する具体的な活動を示しています。

参考和訳

【さいたま市】「2016E-KIZUNAサミットプレミアムinさいたま」を開催しました

 さいたま市では「2030年の環境未来都市と次世代モビリティ」をテーマとして「2016E-KIZUNAサミットプレミアムinさいたま」を11月1日に開催しました。本サミットでは、国・自治体・企業・学識経験者(3省・5県・24市町・18企業・10団体等)が集まり、国際的な地球温暖化対策に対する取組「パリ協定」を軸に、持続可能な低炭素社会の実現や、輸送手段を中心としたエネルギーのネットワーク化推進に向けて、業態の枠を超えて意見を交わしました。当日来場者は延べ363名であり、同時開催の次世代自動車試乗会や環境省COOL CHOICE事業の「次世代自動車カフェ(電気自動車の給電デモを利用したカフェスペース)」にも多くの方が訪れました。
 また、本市ではEVを安心して快適に使える低炭素社会の実現を目指して「E-KIZUNA Project」を推進しています。EV普及に向けた3つの課題『走行距離の短さ』『車両価格の高さ』『知名度の低さ』の解決に向けて、『充電セーフティネットの構築』『需要創出とインセンティブの付与』『地域密着型の啓発活動』に取り組んでいます。この取組を通じて、市民・自治体・事業者等が互いに“絆”を結び、連携してEV普及に取り組み、EV普及の“絆”を点から線へ、更に面へと多元的な連携へと広げています。
 (さいたま市環境局環境共生部環境未来都市推進課)

詳細



第7回E-KIZUNAサミット 集合写真



(写真提供:さいたま市)

【東京都】東京都キャップ&トレード制度:全ての対象事業所が第一計画期間のCO2総量削減義務を達成しました

 東京都は、世界で最も環境負荷の少ない都市を目指して、都内の温室効果ガス排出量の削減を進めるため、平成22年度から環境確保条例に基づき、大規模事業所に対する「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」を開始しました。平成28年9月末に第一計画期間の義務履行の期限を迎え、全ての対象事業所が第一計画期間の総量削減義務を達成しました
 義務達成の発表に際して、小池知事は、「東京都は、2030年までに2000年比30%の温室効果ガスの削減という野心的な目標を持っている。これを達成するために、キャップ・アンド・トレード制度をはじめ、中小規模事業所への支援策等、あらゆる施策を総合的に推進することで、都内のCO2の削減を図っていきたい。」とコメントしました。

(東京都環境局地球環境エネルギー部総量削減課)

詳細

【板橋区】「板橋区環境基本計画2025」を策定しました

 板橋区では平成28年3月に「板橋区環境基本計画2025」を策定し、概ね10年後のめざすべき環境の姿(=環境像)を「人と緑を未来へつなぐスマートシティ“エコポリス板橋”」と掲げ、6つの基本目標と11の環境施策及び5つのリーディングプロジェクトを設定しました。
 このうちリーディングプロジェクトについては、本計画が環境像に向かっているかどうかを端的に示す“ものさし”となり得るものとして、“誰もが参加できる”、“環境への取り組みのきっかけとなる”、“みんなで取り組んだ成果が見える”、“板橋区の環境ブランドとなる”といった観点を踏まえて設定しました。各プロジェクトの概要は以下のとおりです。

リーディングプロジェクトの概要(クリックして拡大)

 板橋区では、このリーディングプロジェクトを中心に、本計画に盛り込まれた他の取り組みを推進することで、「人と緑を未来へつなぐスマートシティ“エコポリス板橋”」の実現をめざしていきます。
 (板橋区 資源環境部 環境戦略担当課)

詳細



「板橋区環境基本計画2025」


プロジェクトNo.5:木材を使用した建築(板橋第一小学校)

(写真提供:板橋区)

ロッテルダム 新技術で自転車通勤者を優先

 イクレイ会員都市のロッテルダム市(オランダ)では、自転車の利用を後押しする新たな取組が実施されました。自転車通勤者が多い同市では、通勤時間の短縮を目的に、通行状況に応じてサイクリスト用の信号を青信号に変える技術が導入されました。対象となるChurchillplein交差点には温度センサーが導入され、サイクリストの体温を感知すると信号が青に変わるように設定されています。また、利用者が多ければ多いほど、早く青信号に変わる仕組みです。
 同交差点は交通量が多く、導入前は赤信号が最大2分続くことも。待ち時間が短縮されたことに多くの自転車利用者が喜んでいます。このような取組はオランダでは初めての試みです。

詳細(英語)

イベント

2016年

2017年

一般社団法人イクレイ日本
(イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会)


〒105-0003
東京都港区西新橋1-14-2
新橋SYビル4F
TEL: 03-6205-8415
FAX: 03-6205-8416

Email: iclei-japan(at)iclei(dot)org
URL: www.iclei.org/japan

イクレイについて


「イクレイ(ICLEI)-持続可能性をめざす自治体協議会」は、持続可能な社会の実現を目指す1,500以上の自治体で構成された国際ネットワークです。気候変動対策、低炭素社会づくり、生物多様性の保全、スマートインフラ構築、グリーン成長などの分野で、自治体の連携を促し、地域主導の革新的取り組みを支援することにより、グローバルレベルの諸課題の解決に貢献することを目指しています。
お問合せ
お問合せ
ホームページ
ホームページ
ツイッター
ツイッター


Email Marketing Powered by Mailchimp